医薬経済オンライン

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広告展開にみるMSDの構造問題

希薄だった「カイゼン」機能を改善できるか

2010年11月1日号

 「みらいを すこやかに できる薬」——。旧万有製薬と旧シェリングプラウの統合新会社MSDが今、企業認知度を高めるために展開している広告のキャッチフレーズである。都内でも、病院通いのお年寄りが待つバス停など意外な場所に掲出されているため見かけた人も多いに違いない。パブリシティーを通じて新会社が訴えようとしている「薬の使命は患者さんの健康を守り、かなえたい夢や未来を支えること」という考えは、まさにその通りで、ケチを付けるつもりはない。無理にアルファベットを意識して韻を踏む必要があったかどうかは別として、消化不良で終わりがちな製薬会社のイメージコピーが多いなかでは、良質の部類に属すると言えよう。 気になるのは、その展開手法のほうだ。MSDによると、ヴィジュアルコンセプトに宇宙を採用したのは、「いつか日本の女性飛行士が、火星着陸を達成したら、き...  「みらいを すこやかに できる薬」——。旧万有製薬と旧シェリングプラウの統合新会社MSDが今、企業認知度を高めるために展開している広告のキャッチフレーズである。都内でも、病院通いのお年寄りが待つバス停など意外な場所に掲出されているため見かけた人も多いに違いない。パブリシティーを通じて新会社が訴えようとしている「薬の使命は患者さんの健康を守り、かなえたい夢や未来を支えること」という考えは、まさにその通りで、ケチを付けるつもりはない。無理にアルファベットを意識して韻を踏む必要があったかどうかは別として、消化不良で終わりがちな製薬会社のイメージコピーが多いなかでは、良質の部類に属すると言えよう。 気になるのは、その展開手法のほうだ。MSDによると、ヴィジュアルコンセプトに宇宙を採用したのは、「いつか日本の女性飛行士が、火星着陸を達成したら、きっ

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