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漢方の常識・非常識

漢方薬の新しい使用法「十全大補湯」

第9回

本間真人

2010年11月1日号

 漢方薬は、患者の「証」(適応病態)に合わせて用いるものである。「証」は、もともと患者の体質や症状によって決まるものであるが、それらが西洋医学の治療おいて類似した病態としてつくり出されてしまう場合がある。抗がん剤や放射線治療における副作用や手術後の体力消耗などが、それである。現代医療における漢方薬の新しい使用法は、それらの症状緩和を主として用いられている。その例として、「十全大補湯」について考察していく。 十全大補湯は、体力の落ちた人に対して体力を補い(補剤)、気力の落ちた人の気を高める(気剤)処方であり、「補気剤」として用いられる(表参照)。 適応症としては、病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、手足の冷え、貧血などである。このうち、病後の体力低下や食欲不振、貧血は、胃がん切除術後の病態に極めて類似しており、それらの改善を目的に投与され...  漢方薬は、患者の「証」(適応病態)に合わせて用いるものである。「証」は、もともと患者の体質や症状によって決まるものであるが、それらが西洋医学の治療おいて類似した病態としてつくり出されてしまう場合がある。抗がん剤や放射線治療における副作用や手術後の体力消耗などが、それである。現代医療における漢方薬の新しい使用法は、それらの症状緩和を主として用いられている。その例として、「十全大補湯」について考察していく。 十全大補湯は、体力の落ちた人に対して体力を補い(補剤)、気力の落ちた人の気を高める(気剤)処方であり、「補気剤」として用いられる(表参照)。 適応症としては、病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、手足の冷え、貧血などである。このうち、病後の体力低下や食欲不振、貧血は、胃がん切除術後の病態に極めて類似しており、それらの改善を目的に投与される

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