医薬経済オンライン

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ラテン転々

アジアの同胞

No.5

三山喬

2010年10月15日号

 「パイサーノ」というスペイン語がある。「同胞」「同郷の人」を指す。南米ボリビアの奥アマゾン地方を旅すると、しばしば、日系の人たちから、そう呼ばれる。 同じボリビアでも、日本人移民が戦後、集団で「日本人移住地」を形成した東南部と異なり、100年以上も前、密林の村々で現地女性らと結ばれたゴム採取労働者の末裔は、すでに何世代も異人種間結婚を繰り返し、外見上も暮らしぶりも、浅黒い肌をした地元の人々と、何ら変わるところはない。 彼らに言わせれば、微妙な目頭の形の特徴で、日系の子孫か否かは「ひと目でわかる」そうなのだが、少なくとも、私には見分けることができなかった。 日本語はおろか、祖父や曽祖父の日本名すら知らないのが当たり前。そんな密林の人々から、「パイサーノ=わが同胞よ!」と呼びかけられるのは、何とも不思議な感覚で、彼らが「善意の人」かどうかもわ...  「パイサーノ」というスペイン語がある。「同胞」「同郷の人」を指す。南米ボリビアの奥アマゾン地方を旅すると、しばしば、日系の人たちから、そう呼ばれる。 同じボリビアでも、日本人移民が戦後、集団で「日本人移住地」を形成した東南部と異なり、100年以上も前、密林の村々で現地女性らと結ばれたゴム採取労働者の末裔は、すでに何世代も異人種間結婚を繰り返し、外見上も暮らしぶりも、浅黒い肌をした地元の人々と、何ら変わるところはない。 彼らに言わせれば、微妙な目頭の形の特徴で、日系の子孫か否かは「ひと目でわかる」そうなのだが、少なくとも、私には見分けることができなかった。 日本語はおろか、祖父や曽祖父の日本名すら知らないのが当たり前。そんな密林の人々から、「パイサーノ=わが同胞よ!」と呼びかけられるのは、何とも不思議な感覚で、彼らが「善意の人」かどうかもわか

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