腰重き「医療事故調」再論議
「医療後の事後処理」か「医療のプロセス」か
2010年10月1日号
医療事故により患者が亡くなったとき、有無を言わせず、「業務上過失致死」として警察が捜査に乗り出す──。医療という〝特殊〟な世界で、これは本当に望ましい姿なのだろうか。 04年、福島県立大野病院産婦人科で起こった妊婦死亡事故では、担当医が業務上過失致死と医師法21条違反で逮捕・起訴された。この事故は、国民にセンセーショナルなものとして受け取られる一方、日本全国の医師たちを震撼させ、「不当逮捕だ」「警察介入を阻止しなければならない」といった激論を巻き起こした。 医師法21条では、「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と規定されており、異常死について警察への届け出が義務付けられている。しかし、かつてこの条文は有名無実化していたのが実際である。 99年に東京都立広尾病院...
医療事故により患者が亡くなったとき、有無を言わせず、「業務上過失致死」として警察が捜査に乗り出す──。医療という〝特殊〟な世界で、これは本当に望ましい姿なのだろうか。 04年、福島県立大野病院産婦人科で起こった妊婦死亡事故では、担当医が業務上過失致死と医師法21条違反で逮捕・起訴された。この事故は、国民にセンセーショナルなものとして受け取られる一方、日本全国の医師たちを震撼させ、「不当逮捕だ」「警察介入を阻止しなければならない」といった激論を巻き起こした。 医師法21条では、「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と規定されており、異常死について警察への届け出が義務付けられている。しかし、かつてこの条文は有名無実化していたのが実際である。 99年に東京都立広尾病院で薬
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録