医薬経済オンライン

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生活保護医療の「歪な実態」

向精神薬不正入手問題で浮き彫りになった行政の限界

2010年9月15日号

 嫌な言葉である。「貧困ビジネス」。敷金・礼金が不要ながら、家賃を1日でも滞納すれば即座に追い出しにかかる「ゼロゼロ物件」。生活保護受給者を低劣な住居に住まわせ、保護費をピンハネする「囲い屋」。生活に追われた低所得者を狙って、甘い汁を吸おうとするシステムだ。 その貧困ビジネス、今年になって「医薬」の世界にも侵入していた。大阪市で起こった、生活保護受給者を通じた向精神薬の不正大量入手、ネット転売事件である。 首謀者は神奈川・横須賀市の無職男(41歳)と大阪市の無職男(54歳)。生活保護では、医療費の自己負担が無料であることに着目し、生活保護受給者に不眠や抑うつを装わせて受診させ、処方された向精神薬を買い取り、インターネットを通じて全国に売り捌いたのだ。報道によれば、1シート(10錠)約500円で仕入れた向精神薬を倍額の約1000円で転売していたともされ...  嫌な言葉である。「貧困ビジネス」。敷金・礼金が不要ながら、家賃を1日でも滞納すれば即座に追い出しにかかる「ゼロゼロ物件」。生活保護受給者を低劣な住居に住まわせ、保護費をピンハネする「囲い屋」。生活に追われた低所得者を狙って、甘い汁を吸おうとするシステムだ。 その貧困ビジネス、今年になって「医薬」の世界にも侵入していた。大阪市で起こった、生活保護受給者を通じた向精神薬の不正大量入手、ネット転売事件である。 首謀者は神奈川・横須賀市の無職男(41歳)と大阪市の無職男(54歳)。生活保護では、医療費の自己負担が無料であることに着目し、生活保護受給者に不眠や抑うつを装わせて受診させ、処方された向精神薬を買い取り、インターネットを通じて全国に売り捌いたのだ。報道によれば、1シート(10錠)約500円で仕入れた向精神薬を倍額の約1000円で転売していたともされてい

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