医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

日本のメディカルツーリズム論

息吹き返す市場原理主義の象徴

最終回 狙いは国内市場開放と混合診療解禁

2010年9月15日号

 メディカルツーリズムは、日本の医療市場を、国際的に開放し、高水準の日本の医療を道具に観光資源も使って、外国人を呼び集めることである。とはいえ、日本に来る観光客は、年間8000万人のフランスの10分の1にも満たない。「観光」をどのような定義で区切るかでこの数字は変わるが、それにしても世界遺産の登録数もかなり多く、国民感情からすればエキゾチックで外国人の関心を惹く国という印象とのギャップは大きいのではないだろうか。歴史的にも欧州諸国と遜色なく、これまでの「富裕層」が暮らしてきた欧米からすると、日本は極東の経済大国で物価水準も高い。日本へのツーリズムそのものが、高価で贅沢な旅だ。つまり、日本への旅行者は以前から「富裕層」だったのだ。 しかし、彼らが医療を主とし、観光を従として日本を選ぶかとなると、疑問は大きい。これまでに述べてきたように、日本の医...  メディカルツーリズムは、日本の医療市場を、国際的に開放し、高水準の日本の医療を道具に観光資源も使って、外国人を呼び集めることである。とはいえ、日本に来る観光客は、年間8000万人のフランスの10分の1にも満たない。「観光」をどのような定義で区切るかでこの数字は変わるが、それにしても世界遺産の登録数もかなり多く、国民感情からすればエキゾチックで外国人の関心を惹く国という印象とのギャップは大きいのではないだろうか。歴史的にも欧州諸国と遜色なく、これまでの「富裕層」が暮らしてきた欧米からすると、日本は極東の経済大国で物価水準も高い。日本へのツーリズムそのものが、高価で贅沢な旅だ。つまり、日本への旅行者は以前から「富裕層」だったのだ。 しかし、彼らが医療を主とし、観光を従として日本を選ぶかとなると、疑問は大きい。これまでに述べてきたように、日本の医療は

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence