医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

抗菌薬の「高用量投与」に警鐘

細菌学者が懸念する「ゾシン」の急成長

(株)薬新 井高恭彦

2010年9月15日号

 どんな抗菌薬も効かない、いわゆるスーパー耐性菌が、日本列島を跋扈し始めた。9月3日、帝京大学病院が、アシネトバクター・バウマニの院内感染と、因果関係が否定できない死亡例を発表。さらに6日、今度は、独協医科大学病院の入院患者からニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1(NDM1)が検出された。その後、複数の医療機関から連日のように、出現報告が続いている。 スーパー耐性菌といっても、健常者は大きな影響を受けない。しかし、体力や免疫力が弱っている患者が感染すると、肺炎や敗血症で死亡することもある。厄介なのはスーパー耐性菌が、抗菌薬への耐性を、より病原性が強い菌に受け渡す能力を持っていることだ。実際に、耐性が移れば、感染者の被害は格段に大きくなる。当然、死亡例も増えるだろう。だが、今のところ有効な抗菌薬がない。だから、いったん発現したら最後。打...  どんな抗菌薬も効かない、いわゆるスーパー耐性菌が、日本列島を跋扈し始めた。9月3日、帝京大学病院が、アシネトバクター・バウマニの院内感染と、因果関係が否定できない死亡例を発表。さらに6日、今度は、独協医科大学病院の入院患者からニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1(NDM1)が検出された。その後、複数の医療機関から連日のように、出現報告が続いている。 スーパー耐性菌といっても、健常者は大きな影響を受けない。しかし、体力や免疫力が弱っている患者が感染すると、肺炎や敗血症で死亡することもある。厄介なのはスーパー耐性菌が、抗菌薬への耐性を、より病原性が強い菌に受け渡す能力を持っていることだ。実際に、耐性が移れば、感染者の被害は格段に大きくなる。当然、死亡例も増えるだろう。だが、今のところ有効な抗菌薬がない。だから、いったん発現したら最後。打つ手

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence