医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

中堅メーカーは生き残れるか

第42回

医薬評論家 五條正也

2010年9月15日号

 米国にフォレストラボラトリーズという中堅メーカーがある。自社の創製品はなく、すべて導入品だ。同社は決算期が米国企業には珍しく3月期で、10年3月期をみると、売上高が41.9億ドルと、田辺三菱製薬と同程度の規模である。英国とアイルランドの売上高が少しあるが、米国の売上高が98%を占める米国内メーカーである。売上高は3期前に比べて22%増えており、この増加は新製品を含めた自社販売の製品売上高によるので、今のところは好調なメーカーと言えるだろう。 しかし、フォレストは多くの製薬企業に共通する経営危機に直面している。トップ製品で〝最強のSSRI〟と言われる抗うつ剤の「レクサプロ」(日本では持田製薬が開発中)が22.7億ドルも稼ぎ出しており、売上高の54%を占める。その特許切れが12年3月に近づいているのだ。ほかに、2位製品のアルツハイマー病薬「ナメンダ」(一般名メ...  米国にフォレストラボラトリーズという中堅メーカーがある。自社の創製品はなく、すべて導入品だ。同社は決算期が米国企業には珍しく3月期で、10年3月期をみると、売上高が41.9億ドルと、田辺三菱製薬と同程度の規模である。英国とアイルランドの売上高が少しあるが、米国の売上高が98%を占める米国内メーカーである。売上高は3期前に比べて22%増えており、この増加は新製品を含めた自社販売の製品売上高によるので、今のところは好調なメーカーと言えるだろう。 しかし、フォレストは多くの製薬企業に共通する経営危機に直面している。トップ製品で〝最強のSSRI〟と言われる抗うつ剤の「レクサプロ」(日本では持田製薬が開発中)が22.7億ドルも稼ぎ出しており、売上高の54%を占める。その特許切れが12年3月に近づいているのだ。ほかに、2位製品のアルツハイマー病薬「ナメンダ」(一般名メマン

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