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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

全建国保に90億円返還請求

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2010年9月15日号

 全建国保(全国建設工事業国民健康保険組合)で制度上加入資格がない一般サラリーマンや他業種自営業者約2万8000人の「偽装加入」事件で、厚生労働省が約90億円の支払い済み国庫補助金を返還請求する見通しという。 「不正に国庫補助金を受給していたのだから返還を求める」のは至極当然のことだが、それだけで終わらせていいのか。 わが国は世界に先駆けて「国民皆保険」システムを確立した。その骨格は、国民が漏れなく医療保険に加入すること、そして加入先が法定されることにある。勤務先が健康保険の適用を受けていれば、その健保に加入しなければいけないし、それ以外の場合は住所地の市町村国保に加入しなければいけない。「自分はこっちを選ぶ」という任意性は排除されている。 ただ、このように国民皆保険を、職業などによる分立保険集団の集合体系によって実現しようとしたものだから、片...  全建国保(全国建設工事業国民健康保険組合)で制度上加入資格がない一般サラリーマンや他業種自営業者約2万8000人の「偽装加入」事件で、厚生労働省が約90億円の支払い済み国庫補助金を返還請求する見通しという。 「不正に国庫補助金を受給していたのだから返還を求める」のは至極当然のことだが、それだけで終わらせていいのか。 わが国は世界に先駆けて「国民皆保険」システムを確立した。その骨格は、国民が漏れなく医療保険に加入すること、そして加入先が法定されることにある。勤務先が健康保険の適用を受けていれば、その健保に加入しなければいけないし、それ以外の場合は住所地の市町村国保に加入しなければいけない。「自分はこっちを選ぶ」という任意性は排除されている。 ただ、このように国民皆保険を、職業などによる分立保険集団の集合体系によって実現しようとしたものだから、片や

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