海外時報
がんワクチンが問う「経済との調和」
火をつけた「プロベンジ」のメディケア給付適用検討
2010年9月1日号
話題と課題がてんこ盛りだった7月のFDA(米食品医薬品局)。アバスチンの乳がん適応取り消しに踏み込むかどうかの決定は、ナンバーワン抗がん剤に対する挑戦、迅速承認システムで下した自らの評価への判断、現に治療中の患者の困惑など、厄介な要素で溢れている。 「月8000ドルの薬剤は、約束した効果を発揮できなかった」という見出しに対して、共和党上院議員から「FDAによるレーショニングの下り坂の始まりではないか」というコメントが出ている。予算の範囲内で医療の提供を割り振り、限定する政策方針を批判する言葉だ。民主党を「命より金を優先する党」として描くため、共和党が頻繁に用いている。 ことアバスチンに関する限り、迅速承認審査で示された臨床試験の結果を、市販後研究は再現することができなかった。乳がん適応の仮免取り消しはやむなしという科学的判断なのだが、それ...
話題と課題がてんこ盛りだった7月のFDA(米食品医薬品局)。アバスチンの乳がん適応取り消しに踏み込むかどうかの決定は、ナンバーワン抗がん剤に対する挑戦、迅速承認システムで下した自らの評価への判断、現に治療中の患者の困惑など、厄介な要素で溢れている。 「月8000ドルの薬剤は、約束した効果を発揮できなかった」という見出しに対して、共和党上院議員から「FDAによるレーショニングの下り坂の始まりではないか」というコメントが出ている。予算の範囲内で医療の提供を割り振り、限定する政策方針を批判する言葉だ。民主党を「命より金を優先する党」として描くため、共和党が頻繁に用いている。 ことアバスチンに関する限り、迅速承認審査で示された臨床試験の結果を、市販後研究は再現することができなかった。乳がん適応の仮免取り消しはやむなしという科学的判断なのだが、それでも
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