技術革新と製薬企業の明日
「戦艦大和」にしないために
第1回
生島准
2010年8月15日号
日本の産業は、どうも「戦艦大和」に似ている。
1941年、マレー沖海戦で、日本海軍は世界史上初めて航空機の攻撃のみで戦艦(プリンス・オブ・ウェールズ)を沈没させた。これ以降、各国は航空兵力の拡充に腐心し、第2次世界大戦の戦況は、制空権の奪取が決め手となった。しかし、日本の海軍は、こうした世界戦史の画期的な転換(破壊的技術革新)を無視、ひたすら大艦巨砲主義に奔走し、「戦艦大和」を生み出した。その結末はご存知の通りだ。沖縄戦で押し寄せる連合国軍に、世界最高の主砲は無力だった。
例えば、富士フイルム。同社の積年の願いだった銀塩フィルムでは世界一になったものの、写真市場はすでにデジタル化してしまった。また、自動車生産台数で世界一となったトヨタ自動車もしかり。世界一になった途端、自動車市場の主力は米国から中国・インドなどの新興国に移行...
日本の産業は、どうも「戦艦大和」に似ている。
1941年、マレー沖海戦で、日本海軍は世界史上初めて航空機の攻撃のみで戦艦(プリンス・オブ・ウェールズ)を沈没させた。これ以降、各国は航空兵力の拡充に腐心し、第2次世界大戦の戦況は、制空権の奪取が決め手となった。しかし、日本の海軍は、こうした世界戦史の画期的な転換(破壊的技術革新)を無視、ひたすら大艦巨砲主義に奔走し、「戦艦大和」を生み出した。その結末はご存知の通りだ。沖縄戦で押し寄せる連合国軍に、世界最高の主砲は無力だった。
例えば、富士フイルム。同社の積年の願いだった銀塩フィルムでは世界一になったものの、写真市場はすでにデジタル化してしまった。また、自動車生産台数で世界一となったトヨタ自動車もしかり。世界一になった途端、自動車市場の主力は米国から中国・インドなどの新興国に移行し
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