ラテン転々
「階級社会」の先輩国
No.3
三山喬
2010年8月15日号
「格差」や「セレブ」が流行語になって以来、この国でも、ハッキリと姿を見せ始めたひとつの近未来像がある。「階級社会」の到来だ。近年、「子どもの貧困」という形で論議されるようになった現象こそ、その第一歩にほかならない。 どんな家庭に生まれるか、それこそが子供の一生を決定づける。こうした状況にショックを受けること自体、「平等社会」というよき時代の夢を引きずっている証だろう。 その点、ラテンアメリカにある〝先輩国〟の人々は落ち着いたものだ。一握りの上流階級と圧倒的多数の下層階級が別世界に生きる。そんな社会構造がコロンブス以来、この大陸では一貫している。 12年前、コスタリカで出会ったスペイン語教師は印象的だった。 「これはハイクラス向け、これは庶民用……」 首都サン・ホセで会話を練習する特別授業の際、大手スーパーの店内を歩きながら、彼は食品や飲料...
「格差」や「セレブ」が流行語になって以来、この国でも、ハッキリと姿を見せ始めたひとつの近未来像がある。「階級社会」の到来だ。近年、「子どもの貧困」という形で論議されるようになった現象こそ、その第一歩にほかならない。 どんな家庭に生まれるか、それこそが子供の一生を決定づける。こうした状況にショックを受けること自体、「平等社会」というよき時代の夢を引きずっている証だろう。 その点、ラテンアメリカにある〝先輩国〟の人々は落ち着いたものだ。一握りの上流階級と圧倒的多数の下層階級が別世界に生きる。そんな社会構造がコロンブス以来、この大陸では一貫している。 12年前、コスタリカで出会ったスペイン語教師は印象的だった。 「これはハイクラス向け、これは庶民用……」 首都サン・ホセで会話を練習する特別授業の際、大手スーパーの店内を歩きながら、彼は食品や飲料を一
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