医薬経済オンライン

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リーダーのための読書論

高峰秀子という生き方

第41回

株式会社ファーマネットワーク 榎戸誠

2010年8月1日号

 幼い頃、見た映画「二十四の瞳」の大石先生を演じた高峰秀子の凛とした美しさに憧れたものであった。その後、読んだ自伝『わたしの渡世日記』(高峰秀子著、文春文庫、上・下巻)では、その歯切れのよい達意の文章に驚いた。ところが、私は高峰のごく一部分しか知らなかったのだ。『高峰秀子の流儀』(斎藤明美著、新潮社)を繙いて、このことを思い知らされたのである。 高峰秀子の生き方の何がそんなに凄いのか。「天才子役」から「大女優」として55歳で引退するまでの50年間に300本を超える映画に主演し、人気を保ち続けたことが凄いのか。小学校に通算しても1ヵ月足らずしか通えなかったのに、見事な文章を紡ぎ出すことが凄いのか。十数年にわたり高峰と夫・松山善三に身近に接してきた著者が、敬愛する高峰の驚嘆すべき生き方を丸ごと、この本の中で開示している。 高峰秀子は「動じない」——著...  幼い頃、見た映画「二十四の瞳」の大石先生を演じた高峰秀子の凛とした美しさに憧れたものであった。その後、読んだ自伝『わたしの渡世日記』(高峰秀子著、文春文庫、上・下巻)では、その歯切れのよい達意の文章に驚いた。ところが、私は高峰のごく一部分しか知らなかったのだ。『高峰秀子の流儀』(斎藤明美著、新潮社)を繙いて、このことを思い知らされたのである。 高峰秀子の生き方の何がそんなに凄いのか。「天才子役」から「大女優」として55歳で引退するまでの50年間に300本を超える映画に主演し、人気を保ち続けたことが凄いのか。小学校に通算しても1ヵ月足らずしか通えなかったのに、見事な文章を紡ぎ出すことが凄いのか。十数年にわたり高峰と夫・松山善三に身近に接してきた著者が、敬愛する高峰の驚嘆すべき生き方を丸ごと、この本の中で開示している。 高峰秀子は「動じない」——著者の

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