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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

若き有権者の戸惑い

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2010年8月1日号

 「先生、質問があります」 7月の参院選投票日が間近になった頃、授業を終え教室を出ようとしたところで学生から呼び止められた。「どの党派も財政再建をして社会保障のための財源を捻出すると主張しているのですが、どの主張が信用できますか。今回が最初の選挙権行使になるので、よく考えて投票したいのです」 もちろん、教師だからといって「この党派にしなさい」と言うわけにはいかない。そこで、財政再建案についての党派の主張の違いを整理してみるよう助言してみた。 翌日、学生が「分析結果」を持ってきた。それによると、各党派の主張する財政再建案は、①国内経済が大きく成長することで税収を増やす、②消費税率を倍増する——の2つに分類されるという。 ①の案。経済成長させるといっても政府に何ができるかという問題がある。企業に「頑張れ」と声掛けすれば中国製品を国際市場から押しのけ...  「先生、質問があります」 7月の参院選投票日が間近になった頃、授業を終え教室を出ようとしたところで学生から呼び止められた。「どの党派も財政再建をして社会保障のための財源を捻出すると主張しているのですが、どの主張が信用できますか。今回が最初の選挙権行使になるので、よく考えて投票したいのです」 もちろん、教師だからといって「この党派にしなさい」と言うわけにはいかない。そこで、財政再建案についての党派の主張の違いを整理してみるよう助言してみた。 翌日、学生が「分析結果」を持ってきた。それによると、各党派の主張する財政再建案は、①国内経済が大きく成長することで税収を増やす、②消費税率を倍増する——の2つに分類されるという。 ①の案。経済成長させるといっても政府に何ができるかという問題がある。企業に「頑張れ」と声掛けすれば中国製品を国際市場から押しのけら

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