医薬経済オンライン

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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

補助金なしで待機児童問題解決

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2010年7月15日号

 保育所関係者の証言である。 デンマークに視察に行き、現地の園長さんと懇談した際、何げなく4歳児27人を担当していると言ったところ、目を丸くして驚かれ、こう囁かれたという。「内緒にしておいてあげる」。かの国で5人を超える受け持ちは、あり得ない「悪質事例」なのだという。 わが国では少子化が進み、幼児数は減る一方だ。にもかかわらず、保育所の待機児童は片付かない。政府は「2万5000人」と見積もるが、そんなものでは済むまい。「保育所があるなら入れたい」という潜在需要は、その10倍にも上ると考えるべきだ。 では、なぜ需要が拡大するのか。 夫婦で働かなければ家計に余裕が生まれない。保育所に預けるか、両親らの支援を得なければ働きに出られないが、核家族化で周囲に親族はいない。認可保育所が一杯なら無認可保育所で……との選択肢もあるが、若夫婦の収入では割高過ぎて無理——...  保育所関係者の証言である。 デンマークに視察に行き、現地の園長さんと懇談した際、何げなく4歳児27人を担当していると言ったところ、目を丸くして驚かれ、こう囁かれたという。「内緒にしておいてあげる」。かの国で5人を超える受け持ちは、あり得ない「悪質事例」なのだという。 わが国では少子化が進み、幼児数は減る一方だ。にもかかわらず、保育所の待機児童は片付かない。政府は「2万5000人」と見積もるが、そんなものでは済むまい。「保育所があるなら入れたい」という潜在需要は、その10倍にも上ると考えるべきだ。 では、なぜ需要が拡大するのか。 夫婦で働かなければ家計に余裕が生まれない。保育所に預けるか、両親らの支援を得なければ働きに出られないが、核家族化で周囲に親族はいない。認可保育所が一杯なら無認可保育所で……との選択肢もあるが、若夫婦の収入では割高過ぎて無理——と

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