OBSERVER
田中秀征・元経済企画庁長官
2010年7月1日号
旧革新の経済政策に不安 ——鳩山由紀夫政権から菅直人政権に「政権交代」しました。菅首相の評価は。 田中 まず、有権者に極めて不誠実な対応をした。所信表明の後に予算委員会を開かないで国会を閉会した。そのような例は聞いたことがない。自民党が退くこと以外に民主党に期待していたのは官僚改革、行政改革だ。しかし、その関連法案がすべて先送りになった。自民党でさえ最小限の道義性にこだわっていたが、菅首相はバカなことをした。彼が首相、党代表に上り詰めたことは、彼にとって芸術的作品だったと思う。昨年、鳩山さんと岡田克也さんが党代表を争ったが、菅さんは出なかった。あのマニフェストなら誰がやっても行き詰まることを十分承知していたからだ。一件落着したところで出てきた。しかし、テレビを見ている有権者は彼の言葉や目を観察して見抜く。ところが彼は気づかない。首相...
旧革新の経済政策に不安 ——鳩山由紀夫政権から菅直人政権に「政権交代」しました。菅首相の評価は。 田中 まず、有権者に極めて不誠実な対応をした。所信表明の後に予算委員会を開かないで国会を閉会した。そのような例は聞いたことがない。自民党が退くこと以外に民主党に期待していたのは官僚改革、行政改革だ。しかし、その関連法案がすべて先送りになった。自民党でさえ最小限の道義性にこだわっていたが、菅首相はバカなことをした。彼が首相、党代表に上り詰めたことは、彼にとって芸術的作品だったと思う。昨年、鳩山さんと岡田克也さんが党代表を争ったが、菅さんは出なかった。あのマニフェストなら誰がやっても行き詰まることを十分承知していたからだ。一件落着したところで出てきた。しかし、テレビを見ている有権者は彼の言葉や目を観察して見抜く。ところが彼は気づかない。首相には
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