がん緩和ケア療法にようやく新薬
「アロキシ」や「イメンド」発売で欧米並みに
2010年7月1日号
大鵬薬品は、抗がん剤投与に伴う、悪心・嘔吐(CINV)といった消化器症状予防に用いるセロトニン5HT3受容体拮抗剤「アロキシ静注」(一般名=パロノセトロン)を発売した。 がん化学療法によって引き起こされるCINVは、その発現時期により、①24時間以内に発現する「急性」②24時間以降に発現する「遅発性」③次回投薬の直前に発現する「予測性」の3つに大別される。これまで、CINVへの対象療法として、セロトニン受容体拮抗剤が広く使用されるほか、ステロイド剤、抗不安剤などが処方されてきた。だが、これらの薬剤は「急性CINV」には有効だが、「遅発性CINV」には必ずしも有効でないことが問題となっていた。とくに、シスプラチン投与後に遷延するCINVに対する従来のセロトニン受容体拮抗剤の効果は約24%程度と不十分だ。 CINVのメカニズムだが、抗がん剤が小腸に達...
大鵬薬品は、抗がん剤投与に伴う、悪心・嘔吐(CINV)といった消化器症状予防に用いるセロトニン5HT3受容体拮抗剤「アロキシ静注」(一般名=パロノセトロン)を発売した。 がん化学療法によって引き起こされるCINVは、その発現時期により、①24時間以内に発現する「急性」②24時間以降に発現する「遅発性」③次回投薬の直前に発現する「予測性」の3つに大別される。これまで、CINVへの対象療法として、セロトニン受容体拮抗剤が広く使用されるほか、ステロイド剤、抗不安剤などが処方されてきた。だが、これらの薬剤は「急性CINV」には有効だが、「遅発性CINV」には必ずしも有効でないことが問題となっていた。とくに、シスプラチン投与後に遷延するCINVに対する従来のセロトニン受容体拮抗剤の効果は約24%程度と不十分だ。 CINVのメカニズムだが、抗がん剤が小腸に達す
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