この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
「強い社会保障」への道
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2010年7月1日号
菅直人さんの内閣が発足した。 最小不幸社会をめざして、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を追求するという。所信表明演説では次のような下りがあった。 「これまで社会保障は経済成長の足を引っ張る負担であると認識されがちだったが、自分はそういう立場には立たない。医療・介護・年金・子育てなどの社会保障によって国民は安心してお金を消費に回すことができ、また社会保障には雇用創出を通じて成長をもたらす分野が数多くある」 この部分はまったく同感。問題は財政だ。GDP比200%を超えようかという財政を建て直すことと、社会保障の維持・充実をいかに同時進行させるのか。 これに関連して消費税率引き上げ論が勢いを増しているようだ。「使い道を誤らなければ増税は経済にプラスに働く」といった論説も聞かれる。だが、この点は大いに警戒しなければならない。先進国中最悪の財政...
菅直人さんの内閣が発足した。 最小不幸社会をめざして、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を追求するという。所信表明演説では次のような下りがあった。 「これまで社会保障は経済成長の足を引っ張る負担であると認識されがちだったが、自分はそういう立場には立たない。医療・介護・年金・子育てなどの社会保障によって国民は安心してお金を消費に回すことができ、また社会保障には雇用創出を通じて成長をもたらす分野が数多くある」 この部分はまったく同感。問題は財政だ。GDP比200%を超えようかという財政を建て直すことと、社会保障の維持・充実をいかに同時進行させるのか。 これに関連して消費税率引き上げ論が勢いを増しているようだ。「使い道を誤らなければ増税は経済にプラスに働く」といった論説も聞かれる。だが、この点は大いに警戒しなければならない。先進国中最悪の財政赤
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