話題の焦点
「痴呆とワクチンの奇妙な関係」
2010年6月15日号
囲碁仲間のG氏が最近妙な手を打つので心配していたが、ある日、認知症の初期症状と診断され、ショゲていた。ボケに強い頭脳ゲームだからといって安心してはいられない。 65歳以上高齢者の10人にひとりは認知症かその予備軍で、その70%はアルツハイマー病だと言われている。これといった特効薬が見い出せないなか、最近「ワクチン療法」が注目を浴びている。 ワクチンは本来、細菌やウイルスが原因の感染症に無類の効果を発揮するものだが、それがアミロイド(蛋白の一種)の蓄積という現象とどう向き合うのか。 そこが近代化学の知恵の出番。アミロイドを微生物にたとえ、免疫・除去する手法を確立することで「ワクチン療法」を成立させてしまった。 痴呆モデルマウス段階ではあるが、すでに著効の成果を得ている。遺伝子治療の扱いは厳しいが、社会的に要望の高い分野ゆえ、少しでも早い開発進...
囲碁仲間のG氏が最近妙な手を打つので心配していたが、ある日、認知症の初期症状と診断され、ショゲていた。ボケに強い頭脳ゲームだからといって安心してはいられない。 65歳以上高齢者の10人にひとりは認知症かその予備軍で、その70%はアルツハイマー病だと言われている。これといった特効薬が見い出せないなか、最近「ワクチン療法」が注目を浴びている。 ワクチンは本来、細菌やウイルスが原因の感染症に無類の効果を発揮するものだが、それがアミロイド(蛋白の一種)の蓄積という現象とどう向き合うのか。 そこが近代化学の知恵の出番。アミロイドを微生物にたとえ、免疫・除去する手法を確立することで「ワクチン療法」を成立させてしまった。 痴呆モデルマウス段階ではあるが、すでに著効の成果を得ている。遺伝子治療の扱いは厳しいが、社会的に要望の高い分野ゆえ、少しでも早い開発進展を
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