メトグルコの複雑な「出生事情」
激変の糖尿病薬市場で、〝燻し銀〟の存在感を発揮できるか
(株)薬新 井高恭彦
2010年6月15日号
診断基準の改訂やインクレチン関連薬の登場で糖尿病治療が新たな局面を迎えている。それを象徴するかのように、5月27〜29日にかけて岡山市内で開かれた第53回糖尿病学会には1万人を超える参加者が押し寄せた。シンポジウム会場は、どこも満員。人いきれに溢れていた。メーカー協賛のランチョンセミナーは、シンポに比して、聴講者がやや少なくなるのが学会の常だが、今回はほとんどの会場が立ち見が出るほど、一杯になった。なかでも大日本住友製薬が5月10日に発売した経口血糖降下剤「メトグルコ錠250㎎」(一般名メトホルミン)を取り上げたランチョンセミナーは、大盛況。開始前から長い行列ができた。まるでインクレチン関連薬並みの注目度だった。 ところが、この薬。実は同社が61年から販売している局方品「メルビン錠250㎎」と成分も薬効もまったく同じ。違うのは、用法用量と使用上の注意だ...
診断基準の改訂やインクレチン関連薬の登場で糖尿病治療が新たな局面を迎えている。それを象徴するかのように、5月27〜29日にかけて岡山市内で開かれた第53回糖尿病学会には1万人を超える参加者が押し寄せた。シンポジウム会場は、どこも満員。人いきれに溢れていた。メーカー協賛のランチョンセミナーは、シンポに比して、聴講者がやや少なくなるのが学会の常だが、今回はほとんどの会場が立ち見が出るほど、一杯になった。なかでも大日本住友製薬が5月10日に発売した経口血糖降下剤「メトグルコ錠250㎎」(一般名メトホルミン)を取り上げたランチョンセミナーは、大盛況。開始前から長い行列ができた。まるでインクレチン関連薬並みの注目度だった。 ところが、この薬。実は同社が61年から販売している局方品「メルビン錠250㎎」と成分も薬効もまったく同じ。違うのは、用法用量と使用上の注意だけな
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