医薬経済オンライン

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ドクターかでいのくすりの裏技

脳の病気

第30回

かでい伝次郎

2010年6月15日号

 何年か前のこと、ある精神科の学会で精神療法の重鎮のドクターが、小児の精神疾患の患者や家族に対し、「これは脳病なのだと説明し……」云々と、声高に主張していたことがある。そして、それを周りの誰もたしなめようとしない。以前、先輩がこの先生に師事していて、偉い先生だと聞いていただけに、この光景は私には腰を抜かすほどのショックだった。 精神疾患に対し、「脳病だ」と発言する——これはかなり不穏当かつ不用意なことではないか。世が世なら、その場で吊るし上げを食らっても不思議ではない。脳が壊れて症状が起きることがハッキリとしている病気ならともかく、脳のどこがどうなって症状が出るのかがまだわかっていない病気を、こともあろうに精神科医が「これは脳の病気だ」と断言するのは、あまりにも酷い話だ。ある精神疾患を「脳病」と宣言することは、患者のさまざまな症状がすべてそ...  何年か前のこと、ある精神科の学会で精神療法の重鎮のドクターが、小児の精神疾患の患者や家族に対し、「これは脳病なのだと説明し……」云々と、声高に主張していたことがある。そして、それを周りの誰もたしなめようとしない。以前、先輩がこの先生に師事していて、偉い先生だと聞いていただけに、この光景は私には腰を抜かすほどのショックだった。 精神疾患に対し、「脳病だ」と発言する——これはかなり不穏当かつ不用意なことではないか。世が世なら、その場で吊るし上げを食らっても不思議ではない。脳が壊れて症状が起きることがハッキリとしている病気ならともかく、脳のどこがどうなって症状が出るのかがまだわかっていない病気を、こともあろうに精神科医が「これは脳の病気だ」と断言するのは、あまりにも酷い話だ。ある精神疾患を「脳病」と宣言することは、患者のさまざまな症状がすべてその

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