ラテン転々
BRICsの誘惑
No.1
三山喬
2010年6月15日号
「BRICs」の「B」、ブラジル。米ゴールドマンサックスのレポートで数年前、ロシアやインド、中国とともに新興経済成長国に名指しされ、いずれはドイツや日本を凌ぐ大国となる、と指摘されたときには、当のブラジルに住む人たちですら、夢物語のような〝大予言〟を鼻で笑っていたものである。 しかしその後、リーマンショックを経て、焼け野原と化した世界を見渡すと、予言はすでにリアリティを帯びている。 ただ、問題はブラジルだ。3年前に日本に引き揚げてきた私からすると、どうにもまだ、実感は薄い。引き揚げ前に聞いていたのは、中国の買い占めによる地下資源の高騰で景気が上向いている、といった程度の噂話。街に札束が飛び交うようなバブル期の日本的な熱気が感じられたわけではなかった。 ただ、サッカーW杯に続いて、大陸初の五輪開催まで決まるとなると、さすがにただ事ではない...
「BRICs」の「B」、ブラジル。米ゴールドマンサックスのレポートで数年前、ロシアやインド、中国とともに新興経済成長国に名指しされ、いずれはドイツや日本を凌ぐ大国となる、と指摘されたときには、当のブラジルに住む人たちですら、夢物語のような〝大予言〟を鼻で笑っていたものである。 しかしその後、リーマンショックを経て、焼け野原と化した世界を見渡すと、予言はすでにリアリティを帯びている。 ただ、問題はブラジルだ。3年前に日本に引き揚げてきた私からすると、どうにもまだ、実感は薄い。引き揚げ前に聞いていたのは、中国の買い占めによる地下資源の高騰で景気が上向いている、といった程度の噂話。街に札束が飛び交うようなバブル期の日本的な熱気が感じられたわけではなかった。 ただ、サッカーW杯に続いて、大陸初の五輪開催まで決まるとなると、さすがにただ事ではない。
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