医薬経済オンライン

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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

無保険者対策

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2010年6月1日号

 今春、オバマ大統領の医療制度改革法が成立し、先進国で唯一大量(国民の6人にひとり)の無保険者が存在する〝汚名〟が返上されることになりそうだ。 米国の公的医療保障はメディケア(高齢者)、メディケイド(低所得者)などしかなく、医療費の支払いは個人の責任領域とされている。企業によっては優秀な従業員確保のため民間医療保険への加入を完備しているが、その恩恵に浴さない者は自分で保険会社に加入するしか道はない。 営利企業である保険会社は給付費を抑えるべく、既往症ある者の排除など加入者選別をするから、病気がちであるがために生計が苦しい者ほど医療費保障の網の目から漏れ落ちることになっている。新法は状況を変えようとする。 事業主は従業員を医療保険に加入させるか、従業員が個別加入するための保険料支援をしなければならない。 保険会社に対しては、既往症者の加入拒...  今春、オバマ大統領の医療制度改革法が成立し、先進国で唯一大量(国民の6人にひとり)の無保険者が存在する〝汚名〟が返上されることになりそうだ。 米国の公的医療保障はメディケア(高齢者)、メディケイド(低所得者)などしかなく、医療費の支払いは個人の責任領域とされている。企業によっては優秀な従業員確保のため民間医療保険への加入を完備しているが、その恩恵に浴さない者は自分で保険会社に加入するしか道はない。 営利企業である保険会社は給付費を抑えるべく、既往症ある者の排除など加入者選別をするから、病気がちであるがために生計が苦しい者ほど医療費保障の網の目から漏れ落ちることになっている。新法は状況を変えようとする。 事業主は従業員を医療保険に加入させるか、従業員が個別加入するための保険料支援をしなければならない。 保険会社に対しては、既往症者の加入拒否

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