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医療の流れを見極める

粋と無粋

Chapter44

伊竜忠志

2010年5月15日号

 文化・文政年間の江戸。日本橋の北詰に魚市があり、吉原と並んで「日に千両の落ちどころ」と繁栄ぶりが歌われている。恐らく、屋台で鮨をつまめたのも、浅草の八百善が食通を唸らせることができたのも、江戸湾が豊富な海の幸をもたらしてくれたからだろう。浅草まで足を伸ばして、八百善で会席料理に舌鼓を打っていると、酔客が入ってきて茶漬けを注文した。半日も待たされた挙句、お足が1両2分(約15万円)と聞いて酔いも冷めたようだ。店主曰く、「茶は宇治の玉露、米は越後の一粒選り、なかでもお茶に使った水は早飛脚を仕立てて玉川上水の取水口まで汲みに行かせたものでございます」。それを聞いた客は「さすが八百善」と感心して帰っていった。何とも粋だ。  文化・文政年間の江戸。日本橋の北詰に魚市があり、吉原と並んで「日に千両の落ちどころ」と繁栄ぶりが歌われている。恐らく、屋台で鮨をつまめたのも、浅草の八百善が食通を唸らせることができたのも、江戸湾が豊富な海の幸をもたらしてくれたからだろう。浅草まで足を伸ばして、八百善で会席料理に舌鼓を打っていると、酔客が入ってきて茶漬けを注文した。半日も待たされた挙句、お足が1両2分(約15万円)と聞いて酔いも冷めたようだ。店主曰く、「茶は宇治の玉露、米は越後の一粒選り、なかでもお茶に使った水は早飛脚を仕立てて玉川上水の取水口まで汲みに行かせたものでございます」。それを聞いた客は「さすが八百善」と感心して帰っていった。何とも粋だ。

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