この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
犠牲になる世帯主
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2010年5月15日号
国保保険料の徴収アドバイザーに篠塚三郎さんという方がいる。神奈川県の県税事務所長経験があり、その体験を社会保険料の徴収強化に活かしておられる。わが国の社会保険は保険料滞納者の増加から「崩壊の危機」とも言われているが、その再建にぜひとも欠かせない人材だ。ボクは篠塚さんの著作を読むたびにそう再認識する。 篠塚さんが挙げている事例からひとつ(「東京の国保」593号)。 滞納者は58歳の男性公務員。公務員は共済に加入するから、実質、国保の被保険者ではない。しかし、同一世帯の息子夫婦が自営業を営み、900万円ほどの年収がありながら国保保険料を数年間滞納している。国保では世帯主に納付義務が課せられるから、息子の滞納の責を父親が問われているのだ。累積滞納額は230万円。保険証はとっくに返還させられ、資格者証になっている。 父親は度重なる自治体の催促を「保険の受...
国保保険料の徴収アドバイザーに篠塚三郎さんという方がいる。神奈川県の県税事務所長経験があり、その体験を社会保険料の徴収強化に活かしておられる。わが国の社会保険は保険料滞納者の増加から「崩壊の危機」とも言われているが、その再建にぜひとも欠かせない人材だ。ボクは篠塚さんの著作を読むたびにそう再認識する。 篠塚さんが挙げている事例からひとつ(「東京の国保」593号)。 滞納者は58歳の男性公務員。公務員は共済に加入するから、実質、国保の被保険者ではない。しかし、同一世帯の息子夫婦が自営業を営み、900万円ほどの年収がありながら国保保険料を数年間滞納している。国保では世帯主に納付義務が課せられるから、息子の滞納の責を父親が問われているのだ。累積滞納額は230万円。保険証はとっくに返還させられ、資格者証になっている。 父親は度重なる自治体の催促を「保険の受益
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