M&Aしかない帝人医薬の伸長
中堅メーカーとの提携が妥当な線か
2010年5月1日号
いきなりの金融大津波に、泳ぐどころか息継ぎし続けるので精一杯だったに違いない。90余年に及ぶ帝人の歴史のなかで、初の非繊維部門出身のトップとして08年6月に専務から昇格した大八木成男社長(写真)のことだ。入社以来、ほぼ一貫して医薬医療部門に籍を置き、事業子会社・帝人ファーマの社長経験もあることから、ヘルスケア関連事業の拡大をと期待され登板した。が、皮肉なことに就任から現在に至るまで、非医薬医療事業の止血作業に終始追われた。 08年9月のリーマン・ショックで帝人は、合繊、化成品、流通・リテイルといった主要事業が総崩れとなった。前年より続いた原油価格の乱高下とその対応に気を取られていた矢先に、米国の過剰消費バブルの崩壊に足元を掬われた。帝人が誇る意欲的な環境重視経営も透明度の高いガバナンス・システムも「100年に1度」の環境激変を前には役に立たなかっ...
いきなりの金融大津波に、泳ぐどころか息継ぎし続けるので精一杯だったに違いない。90余年に及ぶ帝人の歴史のなかで、初の非繊維部門出身のトップとして08年6月に専務から昇格した大八木成男社長(写真)のことだ。入社以来、ほぼ一貫して医薬医療部門に籍を置き、事業子会社・帝人ファーマの社長経験もあることから、ヘルスケア関連事業の拡大をと期待され登板した。が、皮肉なことに就任から現在に至るまで、非医薬医療事業の止血作業に終始追われた。 08年9月のリーマン・ショックで帝人は、合繊、化成品、流通・リテイルといった主要事業が総崩れとなった。前年より続いた原油価格の乱高下とその対応に気を取られていた矢先に、米国の過剰消費バブルの崩壊に足元を掬われた。帝人が誇る意欲的な環境重視経営も透明度の高いガバナンス・システムも「100年に1度」の環境激変を前には役に立たなかった
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