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見えにくい日本のワクチン政策

2010年5月1日号

 長妻昭厚生労働相は4月8日の参院厚労委員会で、国内ワクチン事業を「産業」に据え、将来的にはアジアへのワクチン供給の「中核」をめざすという意見について、ある意味では同感との見解を示した。ワクチンを産業に据えるとは、一体何を言わんとしているのか筆者にはよく理解できなかった。 新型インフルエンザのワクチン接種を巡って、厚労省の無能ぶりが露呈したのはつい半年前のことだ。十分な量のワクチンが確保できないとの理由で、接種の優先順位をドタバタで決めて、さらに1回の接種で十分との判断を示したかと思うと、やはり2回接種が必要だと方針を変更し迷走した。 混乱の原因は突き詰めれば、日本のワクチン製造の脆弱さがある。国産ワクチンは経営規模の小さな企業や財団法人が製造している。そのため生産量の急な増大や、新しい技術導入も欧米に比べ明らかに劣っている。海外では標準的...  長妻昭厚生労働相は4月8日の参院厚労委員会で、国内ワクチン事業を「産業」に据え、将来的にはアジアへのワクチン供給の「中核」をめざすという意見について、ある意味では同感との見解を示した。ワクチンを産業に据えるとは、一体何を言わんとしているのか筆者にはよく理解できなかった。 新型インフルエンザのワクチン接種を巡って、厚労省の無能ぶりが露呈したのはつい半年前のことだ。十分な量のワクチンが確保できないとの理由で、接種の優先順位をドタバタで決めて、さらに1回の接種で十分との判断を示したかと思うと、やはり2回接種が必要だと方針を変更し迷走した。 混乱の原因は突き詰めれば、日本のワクチン製造の脆弱さがある。国産ワクチンは経営規模の小さな企業や財団法人が製造している。そのため生産量の急な増大や、新しい技術導入も欧米に比べ明らかに劣っている。海外では標準的に使

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