医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

自由薬価の時代は終わるのか

第37回

医薬評論家 五條正也

2010年4月15日号

 世界では、ブランドメーカーが自由に薬価を設定できる代表的な国として、米国、ドイツ、英国があることはご存じだろう。 だが、3月26日、医薬品市場で世界3位のドイツが、「自由薬価は発売後1年間だけ」という新しい施策を打ち出し、世界のブランドメーカーに衝撃を与えた。景気後退や失業率の増加によって社会保険料収入が減少する一方、09年の薬剤費が前年比5%増の324億ユーロ(1ユーロ=130円換算で4兆2120億円)となったのだが、これは特許のあるブランド品が平均8.9%値上げされたことが大きな影響を与えたためである。市場の4分の3近くを占めるジェネリック(特許の切れたブランド品=長期収載品を含む)の薬価は2%下がったのだから、自由薬価のブランド品がターゲットにされるのも仕方のないところだ。 これは、07年4月に実施された「社会保険競争強化法」で、薬価が高すぎると判断された...  世界では、ブランドメーカーが自由に薬価を設定できる代表的な国として、米国、ドイツ、英国があることはご存じだろう。 だが、3月26日、医薬品市場で世界3位のドイツが、「自由薬価は発売後1年間だけ」という新しい施策を打ち出し、世界のブランドメーカーに衝撃を与えた。景気後退や失業率の増加によって社会保険料収入が減少する一方、09年の薬剤費が前年比5%増の324億ユーロ(1ユーロ=130円換算で4兆2120億円)となったのだが、これは特許のあるブランド品が平均8.9%値上げされたことが大きな影響を与えたためである。市場の4分の3近くを占めるジェネリック(特許の切れたブランド品=長期収載品を含む)の薬価は2%下がったのだから、自由薬価のブランド品がターゲットにされるのも仕方のないところだ。 これは、07年4月に実施された「社会保険競争強化法」で、薬価が高すぎると判断された場合

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