誰が年金制度をダメにした？ | 医薬経済オンライン

この国につけるクスリ社会保障よもやま話

誰が年金制度をダメにした？

東京福祉大学・大学院教授　喜多村悦史

2010年4月15日号

　年金不信を惹起せしめた戦犯として、社会保険庁は今年1月に解体され、新設の特殊法人日本年金機構に年金業務が移管された。この日本年金機構も「つなぎ」の組織であって、政権2期目には「歳入庁」を創設し、税と保険料の一体徴収を実現するのだという。　旧来の社保庁のダメ組織ぶりは、今さら付け加えることもない。だが、誰に責任があったのかについて、分析のひとつくらいあってもいいのではないか。　第一に着目すべきは、日本の公的年金のすべてが社保庁で管理されているわけではない、ということだ。例えば、国家公務員の年金は財務省所管の国家公務員共済組合が管理し、地方公務員の年金は総務省所管の地方公務員共済組合が管理する。私立学校教職員の年金は文部科学省所管の私立学校教職員共済組合に委ねられている。社保庁の守備範囲は厚生労働省の管轄下にある年金だけに限られる。それは日... 　年金不信を惹起せしめた戦犯として、社会保険庁は今年1月に解体され、新設の特殊法人日本年金機構に年金業務が移管された。この日本年金機構も「つなぎ」の組織であって、政権2期目には「歳入庁」を創設し、税と保険料の一体徴収を実現するのだという。　旧来の社保庁のダメ組織ぶりは、今さら付け加えることもない。だが、誰に責任があったのかについて、分析のひとつくらいあってもいいのではないか。　第一に着目すべきは、日本の公的年金のすべてが社保庁で管理されているわけではない、ということだ。例えば、国家公務員の年金は財務省所管の国家公務員共済組合が管理し、地方公務員の年金は総務省所管の地方公務員共済組合が管理する。私立学校教職員の年金は文部科学省所管の私立学校教職員共済組合に委ねられている。社保庁の守備範囲は厚生労働省の管轄下にある年金だけに限られる。それは日本年

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