医薬経済オンライン

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医療改革下での国内医薬産業戦略

混迷する市場への新たな期待

メリルリンチ日本証券調査部アナリスト 渡辺律夫

2010年4月1日号

 米国のオバマ大統領が精力を注ぎ込んだ医療改革法がついに成立した。医薬品産業の負担は事前に想定された枠内に収まり、同法が施行されれば、今後数年間は大きな制度リスクは生じない見通しとなった。世界の株式市場では、欧米メガファーマを中心に、将来への過度な不安が修正される格好で株価回復がみられる。 これまで株式市場では、日米欧の医薬品企業の株価推移には強い相関関係がみられた。各社とも成長の源泉を巨大な米国市場に求めており、米国のマクロ動向が株価を左右する最も重要なファクターであったためだ。 これを当てはめれば、日本の医薬品企業の株式も米国の恩恵を受けた上昇が期待できそうだが、残念ながら現実は甘くなさそうである。 昨年後半以降、日本の医薬品企業の株価は低迷を続けている。これには大きく2つの理由がある。ひとつは、海外勢、とくに欧州企業が新興国市場で...  米国のオバマ大統領が精力を注ぎ込んだ医療改革法がついに成立した。医薬品産業の負担は事前に想定された枠内に収まり、同法が施行されれば、今後数年間は大きな制度リスクは生じない見通しとなった。世界の株式市場では、欧米メガファーマを中心に、将来への過度な不安が修正される格好で株価回復がみられる。 これまで株式市場では、日米欧の医薬品企業の株価推移には強い相関関係がみられた。各社とも成長の源泉を巨大な米国市場に求めており、米国のマクロ動向が株価を左右する最も重要なファクターであったためだ。 これを当てはめれば、日本の医薬品企業の株式も米国の恩恵を受けた上昇が期待できそうだが、残念ながら現実は甘くなさそうである。 昨年後半以降、日本の医薬品企業の株価は低迷を続けている。これには大きく2つの理由がある。ひとつは、海外勢、とくに欧州企業が新興国市場での事

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