IPOで失われかねない「らしさ」
大塚HD、得意のシーズプッシュ型経営に支障も
2010年4月1日号
年間20数万人の入場者を集める徳島県鳴門市の大塚国際美術館。西洋絵画史を彩る名画約1000点を忠実に写真陶板で再現した「本物が1枚もない」、「絵よりも額縁のほうに価値がある」特異なミュージアムとして知られる。故大塚正士・大塚グループ総帥が「徳島県にお世話になったお礼のために」と、総工費430億円を投じて大塚製薬創立75周年記念事業の目玉として98年にオープンした。今では近畿圏からのバスツアーも設定されるなど、地元への恩返しという面では、とりあえず成功を収めているようだ。 とはいえ、なぜ陶板なのか。この疑問に大塚総帥は、次のようなエピソードを残している。71年頃、建設資材としてトン当たりいくらで売っていた鳴門海岸の砂を「タイルにして1枚いくらで販売すると非常に価値のある商品になる」との提案が側近からあり、それを認可した。ところが、石油危機でタイル需要が...
年間20数万人の入場者を集める徳島県鳴門市の大塚国際美術館。西洋絵画史を彩る名画約1000点を忠実に写真陶板で再現した「本物が1枚もない」、「絵よりも額縁のほうに価値がある」特異なミュージアムとして知られる。故大塚正士・大塚グループ総帥が「徳島県にお世話になったお礼のために」と、総工費430億円を投じて大塚製薬創立75周年記念事業の目玉として98年にオープンした。今では近畿圏からのバスツアーも設定されるなど、地元への恩返しという面では、とりあえず成功を収めているようだ。 とはいえ、なぜ陶板なのか。この疑問に大塚総帥は、次のようなエピソードを残している。71年頃、建設資材としてトン当たりいくらで売っていた鳴門海岸の砂を「タイルにして1枚いくらで販売すると非常に価値のある商品になる」との提案が側近からあり、それを認可した。ところが、石油危機でタイル需要が激減
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