医薬経済オンライン

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漢方の常識・非常識

漢方薬メーカーの社会的責務

第5回

本間真人

2010年4月1日号

 昨年末、行政刷新会議の「事業仕分け」で医療用漢方エキス製剤の保険外しが話題となった。保険外しに至らない方向性となったが、専門家だけでなく多くの方々が種々のメディアを通じて議論に加わり、結果として国民の漢方薬に関する理解と関心が深まったように思う。慌ただしい年末の時期ではあったが、一般の方々の意見や議論をネット上で拝見するだけでも、医療従事者としては大変勉強になった。 漢方エキス製剤の保険外しは、今に始まったことではない。17年前にも話題となった経緯がある。「有効性が科学的に検証されていない薬剤を、保険給付対象にしておくことはいかがなものか」が問題だったように記憶している。そのことが契機となって、漢方エキス製剤の臨床試験について真剣な議論が始まった。 当時の厚生省は、芍薬甘草湯や小柴胡湯など医療用漢方エキス製剤8品目を再評価指定し、有効性...  昨年末、行政刷新会議の「事業仕分け」で医療用漢方エキス製剤の保険外しが話題となった。保険外しに至らない方向性となったが、専門家だけでなく多くの方々が種々のメディアを通じて議論に加わり、結果として国民の漢方薬に関する理解と関心が深まったように思う。慌ただしい年末の時期ではあったが、一般の方々の意見や議論をネット上で拝見するだけでも、医療従事者としては大変勉強になった。 漢方エキス製剤の保険外しは、今に始まったことではない。17年前にも話題となった経緯がある。「有効性が科学的に検証されていない薬剤を、保険給付対象にしておくことはいかがなものか」が問題だったように記憶している。そのことが契機となって、漢方エキス製剤の臨床試験について真剣な議論が始まった。 当時の厚生省は、芍薬甘草湯や小柴胡湯など医療用漢方エキス製剤8品目を再評価指定し、有効性の科

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