改革論議は案の定「利害剥き出し」
後期高齢者制度の二の轍踏む、「当事者」委員の募る懸念
2010年3月1日号
増加を続ける高齢者の医療費をいかに制度的に工面するか、誰が責任を持つか——。これは、厚生労働行政の永遠のテーマとも言える。しかし、制度運営や費用拠出に関わる市町村、都道府県、健康保険組合、協会けんぽ、日本経団連、連合といった関係団体が、自らの負担増とならないよう振舞うから、なかなか物事がまとまらない。天からのカネ(公費割合の上積み)で利害衝突を抑えようにも、この借金漬けの国家財政で、どうやって財源を確保するかという難題がある。
75歳以上の後期高齢者医療制度を廃止した後に、政府はどのような制度を描くのか。とにかく、新たな枠組みの候補が4案、出揃った(下図)。
①は、全年齢にわたる財政調整を段階的に進め、最終的に都道府県単位で統合しようとするものだ。慶応義塾大学の池上直己教授が推している。 ②は、65歳以上の高齢者を対象とした「別建て方式」と...
増加を続ける高齢者の医療費をいかに制度的に工面するか、誰が責任を持つか——。これは、厚生労働行政の永遠のテーマとも言える。しかし、制度運営や費用拠出に関わる市町村、都道府県、健康保険組合、協会けんぽ、日本経団連、連合といった関係団体が、自らの負担増とならないよう振舞うから、なかなか物事がまとまらない。天からのカネ(公費割合の上積み)で利害衝突を抑えようにも、この借金漬けの国家財政で、どうやって財源を確保するかという難題がある。
75歳以上の後期高齢者医療制度を廃止した後に、政府はどのような制度を描くのか。とにかく、新たな枠組みの候補が4案、出揃った(下図)。
①は、全年齢にわたる財政調整を段階的に進め、最終的に都道府県単位で統合しようとするものだ。慶応義塾大学の池上直己教授が推している。 ②は、65歳以上の高齢者を対象とした「別建て方式」とする
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録