この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
薬の研究開発費
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2010年2月15日号
来年度の診療報酬改定率が決まった。全体で0.19%という。均等に配分するなら、1000万円の医師の報酬が1万9000円上がる。月額にして1600円。 ただしウエイト付けがされていて、診療行為については1.55%だそうだから、医師や看護師の給与はもう少し改善されそうだ。釣り合いを取っているのが薬剤費。こちらは▲1.36%。薬への支払いを減らすことで、医師などの技術料増額費用を捻出することになる。「モノからヒトへ」ということでもっともなようにも見えるが、果たしてそれでいいのか。 具体的には新薬の使用を控えて、医療保険ではジェネリックを使おうといったことになる。だが、それでは画期的な新薬開発への経済誘因が薄れ、日本の製薬企業の国際的競争力はなくなってしまう。国民経済的観点からは、「角を矯めて牛を殺す」愚を犯すことになる。 昨年の事業仕分けでは、科学技術振興予算の削減...
来年度の診療報酬改定率が決まった。全体で0.19%という。均等に配分するなら、1000万円の医師の報酬が1万9000円上がる。月額にして1600円。 ただしウエイト付けがされていて、診療行為については1.55%だそうだから、医師や看護師の給与はもう少し改善されそうだ。釣り合いを取っているのが薬剤費。こちらは▲1.36%。薬への支払いを減らすことで、医師などの技術料増額費用を捻出することになる。「モノからヒトへ」ということでもっともなようにも見えるが、果たしてそれでいいのか。 具体的には新薬の使用を控えて、医療保険ではジェネリックを使おうといったことになる。だが、それでは画期的な新薬開発への経済誘因が薄れ、日本の製薬企業の国際的競争力はなくなってしまう。国民経済的観点からは、「角を矯めて牛を殺す」愚を犯すことになる。 昨年の事業仕分けでは、科学技術振興予算の削減に対
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