Holmes&Vaccine
新薬大手「再編」の謎に挑む
第3回 〜新興国市場の価値〜
コイツ・ドナン
2010年2月1日号
【これまでのあらすじ】武田薬品がアステラス製薬に競り勝ち、第一三共の買収に成功する夢を見たというホームズは、キャッシュフロー計算書をもとに、2010年問題以降、国内大手4社が立たされる危機的な状況を概説した。大手4社のキャッシュリッチな財務体質を支えてきた欧米事業が、大型品の特許切れによって、根底から揺らいでいるという。では、大手4社が打つべき手だてとは何なのか。ホームズとワクチン医師の温泉宿の推理は続く。
「まだまだ、これからだよ、推理が面白くなるのは」 ホームズは興奮気味の私をいなすかのように冷静に話を進める。 「繰り返しになるが、欧米で利益を稼ぐには自社開発の新薬がないと厳しい。今までは、海外事業から得たキャッシュフローと、蓄えてきた内部留保で、海外バイオベンチャーなどを買収して、何とか研究開発パイプラインを強化してきた。これは、日本...
【これまでのあらすじ】武田薬品がアステラス製薬に競り勝ち、第一三共の買収に成功する夢を見たというホームズは、キャッシュフロー計算書をもとに、2010年問題以降、国内大手4社が立たされる危機的な状況を概説した。大手4社のキャッシュリッチな財務体質を支えてきた欧米事業が、大型品の特許切れによって、根底から揺らいでいるという。では、大手4社が打つべき手だてとは何なのか。ホームズとワクチン医師の温泉宿の推理は続く。
「まだまだ、これからだよ、推理が面白くなるのは」 ホームズは興奮気味の私をいなすかのように冷静に話を進める。 「繰り返しになるが、欧米で利益を稼ぐには自社開発の新薬がないと厳しい。今までは、海外事業から得たキャッシュフローと、蓄えてきた内部留保で、海外バイオベンチャーなどを買収して、何とか研究開発パイプラインを強化してきた。これは、日本企
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