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薬剤経済学

有効性比較研究の実際

第2回 MS療法—短期評価ならレビフ

2010年1月15日号

 再発と緩解を繰り返して神経障害を悪化させていく退行性の疾患・多発性硬化症(MS)に対する薬剤療法の評価は、生涯の時間枠、患者の生活の質、できれば介護の負担も取り込むのが包括的と考えるのが自然だ。しかし、「再発−緩解型多発性硬化症(RRMS)の1次療法としての疾患修正型薬剤の費用対効果の比較」は、患者の〝主観〟を廃し、新薬評価の軸になった2年の臨床試験の間に薬剤療法が回避できた再発件数と費用の関係に絞って4製剤を比べたのが特徴である(ジャーナル・オブ・マネジド・ケア・ファーマシー2009年9月)。 「レビフ」(IFN−1aSC)を販売するEMDセロノの出資を得て米国のコンサルタント・グループが行った研究は、統計的手法を駆使して生涯の時間枠、治療が追加するQALYに基づく評価と逆行する評価法を意識的に採った。 それでも4剤の臨床試験は対象患者のクライテリア、基線の...  再発と緩解を繰り返して神経障害を悪化させていく退行性の疾患・多発性硬化症(MS)に対する薬剤療法の評価は、生涯の時間枠、患者の生活の質、できれば介護の負担も取り込むのが包括的と考えるのが自然だ。しかし、「再発−緩解型多発性硬化症(RRMS)の1次療法としての疾患修正型薬剤の費用対効果の比較」は、患者の〝主観〟を廃し、新薬評価の軸になった2年の臨床試験の間に薬剤療法が回避できた再発件数と費用の関係に絞って4製剤を比べたのが特徴である(ジャーナル・オブ・マネジド・ケア・ファーマシー2009年9月)。 「レビフ」(IFN−1aSC)を販売するEMDセロノの出資を得て米国のコンサルタント・グループが行った研究は、統計的手法を駆使して生涯の時間枠、治療が追加するQALYに基づく評価と逆行する評価法を意識的に採った。 それでも4剤の臨床試験は対象患者のクライテリア、基線の疾

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