改定論議に水差した協会けんぽの「苦境」
医療費財源調達を阻害する出口のない三竦み状態
2010年1月1日号
10年度診療報酬改定の議論を難しくした最大の要因のひとつが、協会けんぽ(全国健康保険協会)の「準備金枯渇問題」だ。 協会けんぽは、企業単独もしくは業界団体の健康保険組合を持たない、中小零細の事業所が適用を受ける健康保険だ。財政事情はもとから厳しく、「1人当たり標準報酬総額」は、大企業らのサラリーマンが中心の健康保険組合平均では554万円であるのに対し、協会けんぽは385万円と、1.44倍もの〝格差〟がある。そこへ、世界的経済危機と新型インフルエンザのダブルパンチが見舞う。 協会けんぽの被保険者の標準報酬月額は、リーマンショックが勃発した08年9月時点では28万7千円だったが、09年4月28万3千円、7月28万1千円、9月27万9千円——と下がり続けている。被保険者数も1.2%減。天引きの対象となる金額が目減りし、保険料収入は必然的に落ち込む。 一方で、今年度の加入者1人当...
10年度診療報酬改定の議論を難しくした最大の要因のひとつが、協会けんぽ(全国健康保険協会)の「準備金枯渇問題」だ。 協会けんぽは、企業単独もしくは業界団体の健康保険組合を持たない、中小零細の事業所が適用を受ける健康保険だ。財政事情はもとから厳しく、「1人当たり標準報酬総額」は、大企業らのサラリーマンが中心の健康保険組合平均では554万円であるのに対し、協会けんぽは385万円と、1.44倍もの〝格差〟がある。そこへ、世界的経済危機と新型インフルエンザのダブルパンチが見舞う。 協会けんぽの被保険者の標準報酬月額は、リーマンショックが勃発した08年9月時点では28万7千円だったが、09年4月28万3千円、7月28万1千円、9月27万9千円——と下がり続けている。被保険者数も1.2%減。天引きの対象となる金額が目減りし、保険料収入は必然的に落ち込む。 一方で、今年度の加入者1人当たり
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