２年後の転換点は吉と出るか | 医薬経済オンライン

２年後の転換点は吉と出るか

懸念多き持田製薬の綱渡り経営

2010年1月1日号

　「21世紀の業界をリードするのは持田（製薬）だ、と持ち上げられた時期もあったんですがね……」　こう感慨深げに語るのは、比較的最近、同社を定年退職したОＢだ。確かに、かつての持田製薬は「科学」がもたらすバラ色の未来を約束するような、どこか不思議な可能性を期待させる企業だった。ＮＨＫの人気番組「プロジェクトＸ」でも取り上げられた炭酸ガスレーザーメスの開発、夢のクスリと呼ばれて登場した天然型インターフェロン、大方の予想を裏切り成功を収めた高純度ＥＰＡ製剤「エパデール」など、少なくとも90年代までの同社からは「世界初」「日本初」という枕詞の付いた製品が相次いで登場した。　象徴的なのは、70年に開かれた「大阪万博」のシンボル「太陽の塔」の内部に、実物の1万倍のサイズで精巧につくられたＤＮＡ模型は持田製薬の提供だったというトリビアルなエピソー... 　「21世紀の業界をリードするのは持田（製薬）だ、と持ち上げられた時期もあったんですがね……」　こう感慨深げに語るのは、比較的最近、同社を定年退職したОＢだ。確かに、かつての持田製薬は「科学」がもたらすバラ色の未来を約束するような、どこか不思議な可能性を期待させる企業だった。ＮＨＫの人気番組「プロジェクトＸ」でも取り上げられた炭酸ガスレーザーメスの開発、夢のクスリと呼ばれて登場した天然型インターフェロン、大方の予想を裏切り成功を収めた高純度ＥＰＡ製剤「エパデール」など、少なくとも90年代までの同社からは「世界初」「日本初」という枕詞の付いた製品が相次いで登場した。　象徴的なのは、70年に開かれた「大阪万博」のシンボル「太陽の塔」の内部に、実物の1万倍のサイズで精巧につくられたＤＮＡ模型は持田製薬の提供だったというトリビアルなエピソード

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