From Local to Global 私と公衆衛生
「天下り法人」と言うけれど
第15回
国際医療福祉大学副学長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)
2010年1月1日号
官僚の公益法人への天下りが、民主党政権下で槍玉に上がっている。確かに問題と言えば問題なのだが、これには長い期間を通して培われてきた「理由(わけ)」がある。一刀両断に切り込もうとしても、簡単なことではない。 行政需要増大を理由に毎年、各省庁が増員要求するのを防ぐため、「行政機関の職員の定員に関する法律」(総定員法)が施行されたのは、ちょうど40年前の69年のことだ。これをもとに、5ヵ年で達成する定員の削減率を盛り込んだ国家公務員の定員削減計画が進められ、今日まで11次に上る削減計画が実行されてきた。この結果、72年度の90万人をピークとし、09年3月末には国家公務員数が30万9780人にまで減少した。実際には03年の郵政民営化で30万人、04年の国立大学の独法化によって17万人が国家公務員ではなくなったことが大きく影響しているようだ。 しかし、霞が関に勤務する役人...
官僚の公益法人への天下りが、民主党政権下で槍玉に上がっている。確かに問題と言えば問題なのだが、これには長い期間を通して培われてきた「理由(わけ)」がある。一刀両断に切り込もうとしても、簡単なことではない。 行政需要増大を理由に毎年、各省庁が増員要求するのを防ぐため、「行政機関の職員の定員に関する法律」(総定員法)が施行されたのは、ちょうど40年前の69年のことだ。これをもとに、5ヵ年で達成する定員の削減率を盛り込んだ国家公務員の定員削減計画が進められ、今日まで11次に上る削減計画が実行されてきた。この結果、72年度の90万人をピークとし、09年3月末には国家公務員数が30万9780人にまで減少した。実際には03年の郵政民営化で30万人、04年の国立大学の独法化によって17万人が国家公務員ではなくなったことが大きく影響しているようだ。 しかし、霞が関に勤務する役人は
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