「金持ち」武田が抱える内憂外患

新興諸国で事業展開する余裕があるのか

2009年12月15日号

　11月30日の日本外国特派員協会での記者会見で、武田薬品の長谷川閑史社長は、欧州ではなく、アジアでもなく、日本から最も遠い南米での、しかも後発品の市場展開を考えていると述べた。新興諸国への進出は、武田薬品にとっては避けられない課題である。しかし、なぜ南米なのか、そもそもなぜ南米での後発品市場への参入を検討しているのか。理由は明確ではない。　直近では、サノフィアベンティスが、ブラジルで新薬メーカーとしては3位、後発品メーカーとしてはトップ企業のメドレー社を4月に買収したばかりである。グローバル大手各社も新興国市場への展開を目的に、海外の後発品メーカー買収を通じて、国際競争力を高めている。　ここで考えたいのは、武田薬品は、同社にとって未知である新興諸国で勝負するだけの体力があるのだろうか、ということである。とくに、武田薬品の屋台骨を支えている糖... 　11月30日の日本外国特派員協会での記者会見で、武田薬品の長谷川閑史社長は、欧州ではなく、アジアでもなく、日本から最も遠い南米での、しかも後発品の市場展開を考えていると述べた。新興諸国への進出は、武田薬品にとっては避けられない課題である。しかし、なぜ南米なのか、そもそもなぜ南米での後発品市場への参入を検討しているのか。理由は明確ではない。　直近では、サノフィアベンティスが、ブラジルで新薬メーカーとしては3位、後発品メーカーとしてはトップ企業のメドレー社を4月に買収したばかりである。グローバル大手各社も新興国市場への展開を目的に、海外の後発品メーカー買収を通じて、国際競争力を高めている。　ここで考えたいのは、武田薬品は、同社にとって未知である新興諸国で勝負するだけの体力があるのだろうか、ということである。とくに、武田薬品の屋台骨を支えている糖尿病

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