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海外時報

政治が歪める医療の便益比較

乳がん検診で揉める上院、無視されるEBM

2009年12月15日号

 予防医療と健康増進の推進は、オバマの医療改革で異論のない、数少ない条項である。しかし、上院本会議での審議入りを前に思わぬ争点に浮上した。マンモグラフィーによる乳がん検診について、40歳代のルーチンの検査は見送り、50歳以上についても年1回から隔年体制に移行するのがいいと、米連邦・予防サービス・タスクフォースがガイドライン改訂を勧告、共和党が「命より費用節減を優先」「政府が医療に口出しすると、こんな制限が横行する」と改革批判に結びつけた。  反応に驚いたのは、16人の専門家で構成するタスクフォースだった。40歳代の乳房X線撮影診断の臨床的パフォーマンスを追跡した、質の高い、欧米8つの大型研究が示した結論を体系的にレビューした。40歳からの年次検診は死亡率を減らすが、擬陽性が多く、不要な追加検査、生検のリスクとを秤にかけると推奨できない。医師と患者は...  予防医療と健康増進の推進は、オバマの医療改革で異論のない、数少ない条項である。しかし、上院本会議での審議入りを前に思わぬ争点に浮上した。マンモグラフィーによる乳がん検診について、40歳代のルーチンの検査は見送り、50歳以上についても年1回から隔年体制に移行するのがいいと、米連邦・予防サービス・タスクフォースがガイドライン改訂を勧告、共和党が「命より費用節減を優先」「政府が医療に口出しすると、こんな制限が横行する」と改革批判に結びつけた。  反応に驚いたのは、16人の専門家で構成するタスクフォースだった。40歳代の乳房X線撮影診断の臨床的パフォーマンスを追跡した、質の高い、欧米8つの大型研究が示した結論を体系的にレビューした。40歳からの年次検診は死亡率を減らすが、擬陽性が多く、不要な追加検査、生検のリスクとを秤にかけると推奨できない。医師と患者はリス

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