業界尽言
医薬品庁構想復活への備えを
第52回 審査と安全対策の隔離、ドラッグラグを助長
薬事評論家 香澄 汐
2009年12月15日号
政権交代によって、何度も出ては消えていた医薬品庁、あるいは食品と合わせた日本版FDA(JFDA)構想が、現実味を帯びてきた。医薬品庁構想は、90年代終わり頃にエイズ事件のような薬害事件の再発防止策として主張されていた。
ひとつは、主に野党や薬害被害者団体などからの主張であり、審査部門と安全対策部門を切り離すべきであるというものである。その理由としては、安全対策部門は審査部門を監視するために存在する、審査部門は企業寄りであり、安全対策部門が審査部門と同じ組織内にあれば安全対策部門のチェック機能が働きにくくなる、というものだ。審査部門は厚生省(当時)内に残し、安全部門は厚生省から切り離して別の医薬品安全委員会のような組織をつくって移すべきだというものである。
そのような考えに対しては、当時の厚生省が反対し、実現...
政権交代によって、何度も出ては消えていた医薬品庁、あるいは食品と合わせた日本版FDA(JFDA)構想が、現実味を帯びてきた。医薬品庁構想は、90年代終わり頃にエイズ事件のような薬害事件の再発防止策として主張されていた。
ひとつは、主に野党や薬害被害者団体などからの主張であり、審査部門と安全対策部門を切り離すべきであるというものである。その理由としては、安全対策部門は審査部門を監視するために存在する、審査部門は企業寄りであり、安全対策部門が審査部門と同じ組織内にあれば安全対策部門のチェック機能が働きにくくなる、というものだ。審査部門は厚生省(当時)内に残し、安全部門は厚生省から切り離して別の医薬品安全委員会のような組織をつくって移すべきだというものである。
そのような考えに対しては、当時の厚生省が反対し、実現には
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