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業界尽言

ワクチン供給は必ず社会問題化する

第51回 不作為が問われる厚労省

薬事評論家 香澄 汐

2009年11月15日号

強毒鳥インフルエンザのパンデミックが警戒されるなかで、予行演習版とも言える豚インフルが国際的に流行し、強毒インフルのパンデミックに対する備えの必要性を世界中に知らしめた。豚インフルは幸いにして弱毒型だったためパニックにならずに収まっているが、将来予想される強毒鳥インフルが人への感染力を高めた場合、すぐに問題となるのは、感染拡大を防ぐ効力の高いワクチンをいかに迅速に大量に生産するかである。 従来から繰り返し一部の有識者から指摘されていたのが、日本のワクチン鎖国状態への危険性である。日本は貿易管理令や厚生労働省の方針により、ワクチン自給を基本理念としている。自給の考えは、もしそれが完璧に実現できるのなら問題ないが、近年の欧米での新ワクチンの開発、国内での新ワクチン開発力の低下を考えれば、すでに時代遅れである。 国内ワクチンメーカーは、9... 強毒鳥インフルエンザのパンデミックが警戒されるなかで、予行演習版とも言える豚インフルが国際的に流行し、強毒インフルのパンデミックに対する備えの必要性を世界中に知らしめた。豚インフルは幸いにして弱毒型だったためパニックにならずに収まっているが、将来予想される強毒鳥インフルが人への感染力を高めた場合、すぐに問題となるのは、感染拡大を防ぐ効力の高いワクチンをいかに迅速に大量に生産するかである。 従来から繰り返し一部の有識者から指摘されていたのが、日本のワクチン鎖国状態への危険性である。日本は貿易管理令や厚生労働省の方針により、ワクチン自給を基本理念としている。自給の考えは、もしそれが完璧に実現できるのなら問題ないが、近年の欧米での新ワクチンの開発、国内での新ワクチン開発力の低下を考えれば、すでに時代遅れである。 国内ワクチンメーカーは、90年

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