くすりと切手と音楽を
ゆく秋の…
第31回
財団法人MR教育センター常務理事 平林敏彦
2009年11月15日号
薬師寺(右)と薬師如来の切手(縮小率75%) この時期になると思い浮かぶ短歌がある。「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲」。「の」の優しい響きが重なり、声に出して読むと気持ちが和らぐ。筆者は常々、この短歌は文字によるポスターだと感じている。薬師寺は、飛鳥時代、710年の平城遷都より前、680年に天武天皇により創建され、718年に現在の奈良市西ノ京に移って大伽藍を形成していた。 創建当時の建物で現存する唯一のものが東塔で、昭和26年に国宝に指定されている。短歌にある「塔」とは東塔を指す。 云うまでもなく薬師(クスシ)とは、薬を用いる人の意味で医者の古称である。栃木県の自治医科大学(高久史麿学長・当センター理事長)で毎年10月に行われる学園祭は、薬師祭(やくしさい)と云い、下野市にあった薬師寺に因むという。こちらの薬師寺も、創建は天武天皇と伝...
薬師寺(右)と薬師如来の切手(縮小率75%) この時期になると思い浮かぶ短歌がある。「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲」。「の」の優しい響きが重なり、声に出して読むと気持ちが和らぐ。筆者は常々、この短歌は文字によるポスターだと感じている。薬師寺は、飛鳥時代、710年の平城遷都より前、680年に天武天皇により創建され、718年に現在の奈良市西ノ京に移って大伽藍を形成していた。 創建当時の建物で現存する唯一のものが東塔で、昭和26年に国宝に指定されている。短歌にある「塔」とは東塔を指す。 云うまでもなく薬師(クスシ)とは、薬を用いる人の意味で医者の古称である。栃木県の自治医科大学(高久史麿学長・当センター理事長)で毎年10月に行われる学園祭は、薬師祭(やくしさい)と云い、下野市にあった薬師寺に因むという。こちらの薬師寺も、創建は天武天皇と伝え
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