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社会貢献につながる「テロメア」研究

広島大学医歯薬学総合研究科教授 田原栄俊

2009年11月1日号

 今年のノーベル生理学・医学賞には、テロメアの研究で貢献したエリザベス・ブラックバーン、 キャロル・グライダー、ジャック・ゾスタクの3人の授与が決まった。受賞理由は、「テロメアとテロメア合成酵素による染色体保護の仕組みの発見」。つまり、テロメアやテロメラーゼがどのように染色体の保護に寄与しているかを明らかにしたことだ。  私たち哺乳類の染色体のゲノムDNAは、直鎖状2本鎖DNAなので、必ずどの染色体でも染色体DNA末端ができる。この染色体の末端部分を「テロメア」と呼ぶ。この染色体末端には、遺伝子情報はなく、特殊な6塩基のDNAの繰り返し配列となっている。  ヒトの場合、5– TTAGGG –3だが、テロメアが、このような特殊なDNAの繰り返し配列であることを初めて明らかにしたのは、ブラックバーンとゾスタクだった。82年に両氏が、水中に生息する単...  今年のノーベル生理学・医学賞には、テロメアの研究で貢献したエリザベス・ブラックバーン、 キャロル・グライダー、ジャック・ゾスタクの3人の授与が決まった。受賞理由は、「テロメアとテロメア合成酵素による染色体保護の仕組みの発見」。つまり、テロメアやテロメラーゼがどのように染色体の保護に寄与しているかを明らかにしたことだ。  私たち哺乳類の染色体のゲノムDNAは、直鎖状2本鎖DNAなので、必ずどの染色体でも染色体DNA末端ができる。この染色体の末端部分を「テロメア」と呼ぶ。この染色体末端には、遺伝子情報はなく、特殊な6塩基のDNAの繰り返し配列となっている。  ヒトの場合、5– TTAGGG –3だが、テロメアが、このような特殊なDNAの繰り返し配列であることを初めて明らかにしたのは、ブラックバーンとゾスタクだった。82年に両氏が、水中に生息する単細

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