医薬経済オンライン

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ドクターかでいのくすりの裏技

迷走続く日本のうつ病治療

第22回

かでい伝次郎

2009年11月1日号

 精神科の治療が〝薬漬け〟という批判を浴びるようになって久しい。とくに統合失調症に対する抗精神病薬投与では、多剤大量投与がかなり厳しく糾弾されている。そして、話の「オチ」は、古いタイプの抗精神病薬の処方をなくし、新しいタイプの抗精神病薬、つまり、非定型抗精神病薬の単剤投与を推進せよという話で終わる。  一方、うつ病に対する薬物療法では、多剤投与に対する批判は、まだ緒に付いたばかりだ。精神科医が碌に患者の話も聴かず、袋一杯の薬を出して事足れりとしているという批判が少し出てきた程度。実際、うつ病に対する薬物療法は、多くの場合、こんなふうだ。  まず、初日に「スルピリド」(ドグマチールなど)150㎎を分3で投与すると同時に、SSRIやSNRIを能書に定める最低限の処方量未満の量で投与。さらに、抗不安薬や睡眠薬を併用し、とどの詰まりは、初診の段階で最...  精神科の治療が〝薬漬け〟という批判を浴びるようになって久しい。とくに統合失調症に対する抗精神病薬投与では、多剤大量投与がかなり厳しく糾弾されている。そして、話の「オチ」は、古いタイプの抗精神病薬の処方をなくし、新しいタイプの抗精神病薬、つまり、非定型抗精神病薬の単剤投与を推進せよという話で終わる。  一方、うつ病に対する薬物療法では、多剤投与に対する批判は、まだ緒に付いたばかりだ。精神科医が碌に患者の話も聴かず、袋一杯の薬を出して事足れりとしているという批判が少し出てきた程度。実際、うつ病に対する薬物療法は、多くの場合、こんなふうだ。  まず、初日に「スルピリド」(ドグマチールなど)150㎎を分3で投与すると同時に、SSRIやSNRIを能書に定める最低限の処方量未満の量で投与。さらに、抗不安薬や睡眠薬を併用し、とどの詰まりは、初診の段階で最低4

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