医薬経済オンライン

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医師不足とは何か

医療費抑制に濁らされた適正論議

第2回 養成数削減、リストラの発想が混乱生む

2009年10月15日号

 前号では、医師不足の第一の要因は、60年代に顕在化した疾病構造の変化に対し、医療供給体制の枠組みを同時代的に合わせられなかったためではないかと推測した。  敗戦直後から50年代は結核を象徴とした感染症が国民疾病の重要な位置を占めてきたが、60年代からの高度経済成長時代、疾病構造は一気に、今で言う生活習慣病、慢性疾患にシフトした。  医療関係者には常識だが、この間、医療供給体制も大きな変化を遂げた。政府の健康に対する重点化政策もあったが、疾病対策は公衆衛生から保健衛生に舵を切り、戦後、雨後の筍ように生まれた内科診療所の多くが、病院に衣替えした。  そうした診療所が、入院機能を備え、社会的入院を受け入れることで平均在院日数が長期化し、入院患者は国民皆保険制度と歩調を合わせて増え、民間医療機関の資金的準備を豊かにさせた。  また、そのなかで薬剤費は医...  前号では、医師不足の第一の要因は、60年代に顕在化した疾病構造の変化に対し、医療供給体制の枠組みを同時代的に合わせられなかったためではないかと推測した。  敗戦直後から50年代は結核を象徴とした感染症が国民疾病の重要な位置を占めてきたが、60年代からの高度経済成長時代、疾病構造は一気に、今で言う生活習慣病、慢性疾患にシフトした。  医療関係者には常識だが、この間、医療供給体制も大きな変化を遂げた。政府の健康に対する重点化政策もあったが、疾病対策は公衆衛生から保健衛生に舵を切り、戦後、雨後の筍ように生まれた内科診療所の多くが、病院に衣替えした。  そうした診療所が、入院機能を備え、社会的入院を受け入れることで平均在院日数が長期化し、入院患者は国民皆保険制度と歩調を合わせて増え、民間医療機関の資金的準備を豊かにさせた。  また、そのなかで薬剤費は医療

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