医薬経済オンライン

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ワクチン後進国の思考停止状態

「パンデミック」をカネで解決しようとしてみても

2009年10月15日号

 日本のインフルエンザワクチンの歴史は、安全性と有効性を巡る議論に翻弄され続けてきた。  日本で現在のインフルエンザワクチンの原型であるスプリットワクチン(HAワクチン)が使われ始めたのは72年。それまでは、ウイルスを分解しない全粒子ワクチンが使われていたが、不純物を十分に取り除くことができず、副反応の原因とされていた。  それに代わって72年に登場したのがHAワクチンだ。ご存知の通り、副反応の主な原因と見られていたウイルスの脂質をエーテル処理によって取り除き、抗原となるウイルスを分解したワクチンだ。  当時、武田薬品の社員としてワクチンを担当していた北海道大学大学院獣医学研究科の喜田宏教授は、「HAワクチンになれば安全性は高まるが、力価が下がる」と抵抗したが、「安全」を合言葉に、HAワクチンが主流となっていく。  喜田教授は、そのとき安全性論...  日本のインフルエンザワクチンの歴史は、安全性と有効性を巡る議論に翻弄され続けてきた。  日本で現在のインフルエンザワクチンの原型であるスプリットワクチン(HAワクチン)が使われ始めたのは72年。それまでは、ウイルスを分解しない全粒子ワクチンが使われていたが、不純物を十分に取り除くことができず、副反応の原因とされていた。  それに代わって72年に登場したのがHAワクチンだ。ご存知の通り、副反応の主な原因と見られていたウイルスの脂質をエーテル処理によって取り除き、抗原となるウイルスを分解したワクチンだ。  当時、武田薬品の社員としてワクチンを担当していた北海道大学大学院獣医学研究科の喜田宏教授は、「HAワクチンになれば安全性は高まるが、力価が下がる」と抵抗したが、「安全」を合言葉に、HAワクチンが主流となっていく。  喜田教授は、そのとき安全性論議

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