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業界尽言

医薬分業を国民的立場から再検証を

第50回 現実に即した形態に見直すべき

薬事評論家 香澄 汐

2009年10月15日号

 医薬分業は厚生労働省の推進策や薬価差の抑え込みなどの結果、現在60%近くの水準に達しているが、医療財源が厳しさを増すなか、分業に対する風当たりが厳しさを増している。  医薬分業は薬剤師の悲願でもあり、また欧米では分業が当たり前ということで、患者の利益に必ずつながるに違いないとの前提で、厚労省はその推進に努めてきた。約20年前には分業率も10%程度で、それほど財源を食っているわけでもなく、診療所が中心であることもあり、薬剤師のいない診療所で調剤するよりは、薬剤師が薬局で調剤するほうが好ましいだろうという漠然とした認識のもとで、分業推進に積極的な反対もなく進められた。  その後、薬剤費の抑え込みのための薬価切り下げ、それに伴う薬価差の大幅減少により、医療機関は外来調剤に魅力を失い、一気に分業が進んだ。要するに分業は、追...  医薬分業は厚生労働省の推進策や薬価差の抑え込みなどの結果、現在60%近くの水準に達しているが、医療財源が厳しさを増すなか、分業に対する風当たりが厳しさを増している。  医薬分業は薬剤師の悲願でもあり、また欧米では分業が当たり前ということで、患者の利益に必ずつながるに違いないとの前提で、厚労省はその推進に努めてきた。約20年前には分業率も10%程度で、それほど財源を食っているわけでもなく、診療所が中心であることもあり、薬剤師のいない診療所で調剤するよりは、薬剤師が薬局で調剤するほうが好ましいだろうという漠然とした認識のもとで、分業推進に積極的な反対もなく進められた。  その後、薬剤費の抑え込みのための薬価切り下げ、それに伴う薬価差の大幅減少により、医療機関は外来調剤に魅力を失い、一気に分業が進んだ。要するに分業は、追加的

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