先駆者・明治製菓が引いた〝貧乏くじ″
緻密な戦略で、初の抗菌薬「小児先行開発」
(株)薬新 井高恭彦
2009年9月1日号
「明治製菓は貧乏くじを引いた」。感染症の学会関係者がこう話すのは、明治製菓が8月26日に発売したカルバペネム系抗菌薬「オラペネム小児用細粒10%」。
類似薬効比較方式で算定する新薬の薬価は通常、対象薬の「通常用量」をベースにするが、オラペネムは、対象薬となった「メイアクトMS小児用細粒10%」の「高用量」をベースに算定。さらに、有用性加算(Ⅱ)と小児加算も付いたので、表面的には収益的にも先行きが明るいように見える。
だが、カルバペネム系の抗菌薬は、他製剤に比べて原料価格が非常に高い。さらに、中央社会保険医療協議会の資料によると、ピーク時の予測売上高は13億5000万円程度と、メイアクト小児用(08年度売上高約90億円)の半分にも満たない。これに対して開発に投じた費用は「100億円を超えているのではないか」と言われている。つまり、製造コストや、市場規模を考...
「明治製菓は貧乏くじを引いた」。感染症の学会関係者がこう話すのは、明治製菓が8月26日に発売したカルバペネム系抗菌薬「オラペネム小児用細粒10%」。
類似薬効比較方式で算定する新薬の薬価は通常、対象薬の「通常用量」をベースにするが、オラペネムは、対象薬となった「メイアクトMS小児用細粒10%」の「高用量」をベースに算定。さらに、有用性加算(Ⅱ)と小児加算も付いたので、表面的には収益的にも先行きが明るいように見える。
だが、カルバペネム系の抗菌薬は、他製剤に比べて原料価格が非常に高い。さらに、中央社会保険医療協議会の資料によると、ピーク時の予測売上高は13億5000万円程度と、メイアクト小児用(08年度売上高約90億円)の半分にも満たない。これに対して開発に投じた費用は「100億円を超えているのではないか」と言われている。つまり、製造コストや、市場規模を考える
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